レディスブランド「ディウカ」は20年春夏、テーマを「ボイス」にした。デザイナーの田中崇順は「自分たちが表現するべき声はなんだろうと、クリエイションを改めて考えた」と話す。そぎ落としたシンプルなデザインを、素材と立体裁断でドラマチックに作るディウカらしいコレクションが揃った。
定番で出している手描きプリントのオリジナル生地は今回、草木や鳥を描いた。春の柔らかな日差しの中、新たな季節の訪れに歓喜しているようなイメージだ。ハンカチーフヘムのドレスやタックパンツなどを作った。
ストライプのコーディガンは、麻の粗野な質感をラメの光沢でモダンにした。同じ素材でラッフルで動きの出るスカート、胸元の生地を折り返して彫刻のような立体感を出したタイトドレス、きもののように羽織って腰をきゅっと結ぶスプリングコートがある。
日常に着やすい機能性もここ数シーズン大切にしていることの一つだ。ウォッシャブルや軽量なアイテムを作っている。今シーズンのパンツは裾をボタンで調整可能にし、ペグトップのようにも、膝くらいの高さに上げてワークな雰囲気でも着られるのが特徴だ。19年春夏から継続している手描き友禅の伝統工芸士、小倉隆さんとの協業では、太めのボーダーにボタニカル柄をのせた。