服飾副資材卸のクロップオザキ(東京)が、アパレルパーツを身近にする活動に力を入れている。中小事業者やこれからブランドを立ち上げる人、学生らが対象だ。将来的にビジネスにつなげたいという狙いもあるが、まずは「細部にこだわる物作りの良さを伝えていきたい」と考えている。
気軽に副資材を使った物作りが体験できる場を創出しようと「打ち機レンタルサービス」を始めた。学生向けには無料キャンペーンを実施している。
同社のショールーム内でドットボタンやタックボタンなどを打てる場所を提供し、学生は打ち機とパーツを無料で利用できる。サンプル帳などの閲覧も自由。「学校での制作活動や趣味の服作りに生かしてもらい、アパレル業界への関心が少しでも深まれば」と期待する。
また「付属の勉強会」をオンラインで開き、大学や服飾専門学校では出張授業やワークショップも行っている。
勉強会はアパレル業界で働く人や目指す人が誰でも無料で参加できるもので、18年から月1回のペースで開催している。用途別の副資材の使い方や、環境認証やサステイナブル(持続可能な)資材など生産に役立つ知識や、トラブル事例やクレーム対応のノウハウなど様々。「セールストークになる副資材」などをテーマにした販売員向けも強化していく。
授業やワークショップは廃棄される予定だった副資材を活用して行うなど、SDGs(持続可能な開発目標)にもつなげている。