【パリ=松井孝予通信員】「シャネル」は12月12日、マチュー・ブレイジーをアーティスティックディレクター(AD)に任命した。ブレイジーは来年4月にシャネルに加わり、10月のパリ・ファッションウィーク26年春夏で初のコレクションを発表する。それまでの移行期間は、6月にADを退任したヴィルジニー・ヴィアールを引き継いだスタジオチームがクリエイションを担う。
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ブレイジーは1984年、パリ生まれ。フランスとベルギーの国籍を持ち、ベルギー・ブリュッセルのラ・カンブル国立美術学校を卒業。多くのブランドで力を発揮した後、21年から「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブディレクターを務めていた。
今回の任命に先立ち、11日にはジョン・ガリアーノが「メゾン・マルジェラ」のAD退任が明らかとなり、その翌日にルイーズ・トロッターが「カルヴェン」のクリエイティブディレクター(CD)を退任。同時にケリング傘下「ボッテガ・ヴェネタ」のブレイジーの後任として新CDに任命された。その発表からわずか1時間後に、ブレイジーのシャネルADの任命が明らかになるという、臨場感に満ちた展開だった。過去の交代劇に関与したことのなかったシャネルが、この24時間にわたる連鎖的人事の中心となったことで、モード界を超え社会に大きな関心を呼び起こした。