NYを拠点に国産ジーンズを広めたい シィージーンズ、ニューヨーカーの地元愛を刺激

2023/03/20 10:59 更新


バックポケットにNYの風景を描いたジーンズが地元愛を刺激

 シィージーンズは、モーアンドモーインク(下田博之代表)による、ニューヨーク(NY)を拠点としたジーンズ主力のブランド。〝ジーンズの聖地〟として世界的に知られる岡山で生産しつつ、NYらしい感性を取り入れた商品を強みに、欧米を中心に販路を広げている。

 自ら商品を企画・デザインする下田代表は、現地に住んで約15年。ファッション業界一筋で、ストリート系アパレルブランドなどで経験を積んできた。

 キャリアを歩む中で「日本の技術の高さ、特にジーンズの素晴らしさを海外で広めたい」と考え、22年1月にスタートしたのがシィージーンズだ。立ち上げの約1年前から、岡山の産地に通って、工場や職人とコミュニケーションを取りながら準備を進めた。

 自身が古着好きなこともあり、国内工場の技術を生かしたビンテージ感の表現にこだわっている。そこにストリートファッションの要素などを加えた、現代的アメカジ、高品質な普段着がブランドのテーマだ。

 中心価格は約300ドル、加工が凝ったものは約600ドル。人気アイテムはバックポケットのステッチで、NYの風景を描いたジーンズだ。地元愛の強いニューヨーカーを中心に受けているという。

 公式ECでの販売から動き出し、インスタグラムに広告を出すなどして認知を拡大。「欧米では日本製のアイテムに、職人的で高品質というイメージがある」ため、NY、フランス、イタリア、スイスなどのセレクトショップから問い合わせがあり、卸での拡販も進んだ。

 「コロナ禍を経て、服を買う頻度が減った分、消費者は商品吟味するようになっている。質の高いジーンズで、そうした需要に応えたい」と下田代表。今後は国産の物作りの良さをさらに広めつつ、日本ならではのブランドや伝統技術との協業を進めたいという。



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