京都の美研繊維 最新インクジェット捺染機を導入

2018/09/14 06:25 更新


 テキスタイルプリントの美研繊維(京都市)は、セイコーエプソン製の最新インクジェット捺染機「モナリザ・エヴォ・トレ」を導入し、本格稼働する。独自に開発した関連設備や助剤も取り入れて実現した、高浸透プリントをスピーディーに供給する。

 同捺染機は15年の国際繊維機械見本市・ITMAミラノで発表され、16年から欧州で販売されてきたモデルをセイコーエプソンが初めて国内生産した新機種。日本市場に対応して研究開発され、美研繊維に1号機が配置された。高密度の32ヘッドを搭載し、4パスの従来機「モナリザ・エヴォ」よりも高速の2パスで捺染できる。画質も大幅に向上し、これまで染めにくかった極細線なども鮮明に表現できる。

 美研繊維は3年前に従来のエヴォを2台導入、表現力の多様さと完成度の高さから「予想以上のスピードでアパレル市場に拡大」(平腰秀裕社長)している。

 今回の導入に合わせてオリジナルの生地送り出し機や乾燥機を開発して併設し、織・編物それぞれに対応した既存の前処理機も連携させ、新機種でも一貫生産体制を確立した。

 新機種は8月に設置、ポリエステル用に使う。独自にブレンドした前処理剤によるスクリーンプリント並みの高浸透プリントの試験捺染を済ませた。今月から本格的な受注を始める。

美研繊維に配置された「モナリザ・エヴォ・トレ」の国産1号機


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