「インバウンドと越境ECは相反せず、互いに高めあっていく関係であることが示された」とは越境ECサービスを提供するビーノスの直井聖太社長。このほど24年上半期の越境ECトピックスの発表会を開いた。
上半期の越境ECを取り巻く環境は、記録的な円安の継続とインバウンドが過去最高を上回るペースで推移したことが大きなトピックスになった。
インバウンドが復活すれば越境ECの伸びが鈍化するという見方が一部であったというが、同社が運営する海外向けECモール「バイイー」の1~6月の流通総額は前年同期比42.4%増で、海外ユーザー数は550万人を突破した。増えたインバウンドを契機に日本や日本ブランドへの興味・関心が広がり、帰国してからの消費を取り込む〝旅アト消費元年〟になったとする。
人気カテゴリーは1位トレーディングカード、2位おもちゃ・ホビー、3位ファッション、4位アニメ・コミックグッズ、5位CD・レコードとなった。全体的にアニメや音楽、ゲーム、漫画、特撮などのコンテンツ産業分野の伸びが際立ち、購買の主流になりつつある。
ファッションの流通額の伸びは緩やかであるものの、3年前の21年上半期との比較では約1.7倍に拡大している。コンテンツ産業分野では購入地域に偏りがあったり男性ユーザーが多いのに対し、ファッションは全エリアで購買され、女性ユーザーの方が多いのが特徴だ。
ファッションブランドは、購入件数トップ10を発表したほか、楽天ファッション・ウィーク東京24年秋冬に参加したなかで海外購入が伸びている注目ブランド3選として「ハイク」「アンリアレイジ」「シンヤコヅカ」を挙げた。