ビームスは、英国法人を通じたブランディング事業に着手する。セレクトショップとして培った商品を選ぶ目や編集力で、日本と海外双方の企業やブランド、アーティストの進出や活動を支援する。
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昨秋、ロンドンに現地法人「ビームス&コーUK」を設立した。目利きの力だけでなく、魅力的な店頭の見せ方や販促の手法を物販以外に使い、新たな事業を目指す。
今月は、ロンドン在住のグラフィックアーティストのジャン・ジュリアン氏を日本で紹介する。ジュリアン氏は15年のパリ同時多発テロ事件後に公開した追悼アートワークで注目された。筆ペンなど日本の文房具も駆使した作品のファンは日本にも多く、ビームスが販売するTシャツにも作品を提供している。その縁から12~26日に日本で開く初の個展に協力する。日本での作品紹介やアートワークの協業商品作り、販売などの活動を日本で支援することにした。
一方、日本の文化発信事業では、6月19~21日にパリのホテル、アマスタンで期間限定イベントを行う。数年前にできた同ホテルはイベントスペースを備えており、ここを使ってビームスがキュレーションした日本の商品を紹介する。
紹介するのは、やまとが15年に始めたメンズきものブランド「ワイ&サンズ」の羽織や履物、熊本県の高橋酒造の米焼酎、盆栽やコケなど。日本の文化として欧州でも一定の知名度は得ているが、まだそれほど販売量が多くはない商品が中心だ。
イベントに訪れた来場者には羽織を洋服と合わせたコーディネートを提案するほか、バイヤーも招待し、19年春夏商品のオーダーも受ける。焼酎はホテルのバーで提供し、酒造メーカー自体を現地の卸業者にも紹介する。紹介した商品を市場に根付かせるきっかけとしてイベントを機能させたい考えだ。