ビームスは、「ピルグリム・サーフ+サプライ」で、アフリカのザンビアコットンを使ったTシャツを販売している。売り上げの一部が零細綿花生産農家の支援に使われる仕組みで、購入者が商品タグのQRコードから支援内容を選ぶことができる。取り組みの認知を広げるため、渋谷、京都のピルグリムの店舗とECだけでなく、一部ビームス店舗でも販売した。
(柏木均之)
ピルグリム・サーフ+サプライは、ニューヨーク・ブルックリンのカジュアルショップ。サーフボードなども扱い、地元サーファーやアーティストなども集まる地域のコミュニティー的なショップだ。ビームスは同ショップと共同でピルグリムのアパレルを企画しており、15年に渋谷、20年に京都に店舗も出した。
ザンビアコットンのTシャツは、三井物産のトレーサビリティー(履歴管理)プラットフォーム「ファーマーズ360°リンク」を活用して生産した。アフリカの農業商社ETGと連携し、アパレル製品などのサプライチェーンを可視化し、生産者支援の輪を広げる取り組みで、今春、サザビーリーグの「ロンハーマン」がこのプラットフォームを使ったTシャツやスウェットパンツを販売した。
ビームスとピルグリムも「もっとサステイナブル(持続可能)な方法でアパレルを作りたい」とかねてから考えており、今回、ブランドのアイコンであるペナントロゴTシャツに同プラットフォームを使うことを決めた。8月7日に黒、白、サンドベージュの3色のロンT(税込み8800円)を発売した。
ビームスとは別のショップとして運営しているため、これまで渋谷と京都の店のほか、専用コーナーのあるビームス辻堂店でしかピルグリムの商品は販売していなかった。今回の取り組みでは、より多く売ることが農家支援につながるため、初めてビームス新宿店、梅田店でも20日まで販売した。
24年春夏も取り組みを継続する考えで、半袖Tシャツやスウェットシャツ、フーディを販売する計画だ。