メンズウェアの「アズマ」(東研伍)は12日、東京・新宿アルタの屋上に設置されたバスケットボールのコートで、21年春夏のインスタレーションを見せた。
34歳のデザイナー、東研伍が着目したのは、日本のロックバンド「ザ・ブルーハーツ」が持つ「真っすぐな強さ」。コート上に立ち並んだコーラス隊が「ブルーハーツのテーマ」を合唱する中で、80年代や90年代のとんがったロックスタイルを今っぽさを感じさせるバランスに置き換えて見せた。ライダーズジャケットを応用した機能素材のブルゾン、クロップド丈のパンツにエンジニアブーツ。バンダナを頭に巻いたモデルは、柔らかな柄のタイダイ染めのパーカにバミューダパンツを着用する。明るめのブルーやパープルを差し色にして軽やかなムード。スカジャンにダボっとしたワークパンツの着こなしもスマートさが引き立つ。
「世の中の皆が萎縮して、行動の選択肢が限られている今だからこそ、声を大にして発信したいと思った。ひねた見方をする人が多いと感じていて、ストレートで純粋な気持ちに向き合うことを大事にしたい」と東。
(須田渉美)