FB業界の16年春の採用活動本格化

2015/03/26 06:06 更新


 16年春新卒者の就職活動(就活)が3月1日に解禁となり、ファッションビジネス(FB)業界各社の採用活動が本格化している。従来より活動開始が3カ月遅れ、短期決戦となるため企業側は解禁直後から採用活動を活発化。一方、学生は早くから動いて既に内々定を得た人と、解禁を機に就活準備を始めた人との二極化が進み、全体的には後ろ倒しを受けて例年より出足が遅れ気味のようだ。

他業界と同時に受け付け

 3月に入り、業界横断型の大型セミナーと並行し、FB企業数十社が集まる合同就職セミナーも相次いで開催されている。FB業界では例年、他業界の大手や有力企業の説明会が一段落した2月頃から、業界特化型セミナーや個別企業説明会を開く例が多かった。しかし今回は他業界と同時に、個別説明会の受け付けを始めたFB企業が目立つ。

 日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)は会員企業の採用活動と重なるのを避け、合同企業説明会を4日に都内で開いた。会場の広さが前年の6割程に縮小したため、参加企業は25社(前年は27社)に抑えたものの、予想を上回る約830人(約15%減)が来場した。

 スプラウト社が運営するファッションアパレル業界専門の新卒サイト、ブランドキャリアジュニア主催の「ファッション・アパレル合同就職セミナー」は20日に都内で開催。外資系のラグジュアリーブランド中心に参加企業は28ブース、31社(講演企業を含む)で、例年の約2倍に増えた。外資系は経験の長い人の中途採用主体だったが、この1、2年は経験者の人材不足から新卒採用のニーズが強まり、出展社が急増した。初参加はリシュモンジャパン、コーチ・ジャパン、ジョイックスコーポレーション、シップスほか。学生の来場者は1520人(29%増)で、4大生が約7割を占めた。

 マイナビとMORIパーソネル・クリエイツが共同運営する「FB就職セミナー」(「マイナビ2016」と共催)は、名古屋で25日開催、東京が26日、大阪は4月20日に開く。参加企業は名古屋30ブース、32社(前年は26社)、東京68ブース、72社(69社)、大阪52ブース、56社(55社)と全会場が過去最高で企業の採用意欲は高い。初参加は、東京でザラ・ジャパン、マークスタイラー、京急百貨店など。来場者数が、前回は各会場で1~2割減少したため、今回は名古屋、東京でマイナビの業界横断型セミナーと同時開催して参加者増を図り、3会場で1万人以上の来場を目指す。

セミナーが3月に集中

 各セミナー主催者によると、学内、業界横断型、業界特化型の各種セミナーが3月に集中しているため、学生が分散化。個別企業説明会の受け付けも一斉に始まったため、他業界の大手や人気企業では参加希望者が増えている半面、「FB企業はエントリー数が前年の7割で厳しい状況」。大学主催の合同説明会など学生と接する機会を増やしたいのに、他業界の企業に競り負けて呼ばれなくなる例もあり、「FB業界を志望する母集団は減少傾向で、従来と同規模の母集団の形成は難しい」と話す。

 大学側は、12月解禁の先輩たちと同時期に、3年の春からガイダンスや自己分析、夏には筆記試験対策や応募書類の書き方講座、秋以降は企業を招いた業界研究などの就活支援を実施し、2月までに準備を終えるよう指導してきたが、参加率が低く、解禁後も情報収集中で志望が固まらない学生も多い。

 一方で3年の9~2月に、外資系や経団連未加盟企業から内々定が出た学生もいる。夏休みに就業体験に行った企業に何度も呼ばれたり、秋から冬にワンデーインターンシップと称した採用に直結する実質的な企業説明会に参加し、選考が進んだなどがその例だ。

 後ろ倒しの影響で「他業界に学生が流れて企業説明会の参加者が減り、欲しい人材を早期に確保できない」「8月の選考活動開始後と、10月の内定を出す時期に、複数の内々定を得た学生の辞退者が増える」ことを懸念する企業が多い。内々定が出た組と出ない組に分かれ、学生が改めて就職先を探して動く第2の波が6~7月、第3の波が8月、第4の波が10月に来て、「採用期間が長期化し、秋冬採用が増える」と心配する声も目立つ。不安や懸念材料が多い採用・就職戦線となっている。



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