原材料の高騰が続き各業界で価格転嫁が進む中、国内縫製工場の工賃交渉は先行きが不透明なままだ。日本アパレルソーイング工業組合連合会(アパ工連)の白石正裕会長は「今でも縫製工場は見積もり無しの昔からの商習慣から脱却できず、工賃交渉が進まない企業が多いため、業界全体の啓発が必要」と強調する。アパ工連では、縫製加工賃交渉支援クラウドサービス「ACCT」の進化版の普及に力を入れる。
ACCTは18年からサービスを提供し、ピーク時には縫製工場、アパレル企業、商社の80社ほどが利用した。その後改良版なども出したが、なかなか浸透していない状況だ。
今回の進化版では見積もり作成を工場が使いやすいようにアップデートするだけでなく、ユカアンドアルファの「タスクフィット」と連携し、工場経営に役立つ工程分配などの機能を付加した。縫製の現場でグループ生産方式に多能工化を目指す際、ACCTのデータをタスクフィットに連携すると、一人ひとりの作業時間を数値化し、それを全員で共有できる。さらに適正に分配し標準化することが可能となる。
アパ工連では進化版の普及を目指し、5月の東京を皮切りに、大阪、岐阜、福岡で説明会を順次開催する。