AOKIは一般医療機器と明記した疲労回復効果が見込める衣料品「リカバリーケアプラス」でアイテム・用途を拡大している。22年6月に販売を開始したホーム・スリープウェアが好評だったことから、今年1月には「パジャマスーツ」シリーズにも加えた。これによって、ビジネスシーンを含め、オン・オフ問わずアイテムが揃い、新たな需要喚起が期待できる。今後も健康促進を切り口にした市場は拡大が予測されており、同社は同カテゴリーの裾野を広げる計画だ。
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累計2万着を突破
リカバリーケアプラスは特殊な高純度セラミック練り込み糸を使用し、体から発する遠赤外線エネルギーを吸収・輻射(ふくしゃ)することで血行が促進され、疲労回復などの効果を期待できる一般医療機器の届け出をしたアイテム。22年6月にEC限定で販売したところ、約1週間で完売するなど好評でした。
8月には新たに長袖シャツ・九分丈パンツのオールシーズン仕様を加えました。その後、問い合わせも多く、実店舗でも販売するようになりました。一般医療機器として、販売現場での説得力も増しています。
政府の統計調査で被服・履物などの支出が減少する一方、健康促進に関連する市場は拡大する見込みです。当社のリカバリーケアプラスも男女ともリピーターが増え、お客様からも効果を実感したという声が目立ちます。23年秋冬には厚手の生地タイプがほぼ完売するなど堅調で、ホーム・スリープウェア(上下で税込み8990円)の累計販売数量は2万着を突破しました。
仕事着としても
新たなアイテムとして開発した「パジャマスーツリカバリー」はコロナ禍が落ち着き、リモートワークから出社して働くスタイルに戻った現在、仕事着としても着用することで、同様の疲労回復効果が見込めます。価格はジャケット(1万7490円)、パンツ(8789円)で限定店舗とECで販売しています。商品開発には構想から15カ月ほどかかりました。ビジネスシーンでのきちんと感を表現するため、デザインと機能のバランスが良くなる素材を選定するのに苦労しました。今後は年間で販売できる素材も加えたいと思っています。
これからも衣料品の付加価値を高めるためにも「健康」という切り口は欠かせません。ウェアだけでなく、インナーやグッズなどアイテムの幅を広げたいと思います。その際、一般医療機器のアイテムを軸にしつつ、それ以外のアイテムまで点ではなく面で売り場提案できれば、新たな顧客層の開拓にもつながるでしょう。