アングローバルは新ブランド「キタン」を21年春夏にスタートする。フランスやインド、日本で生産した生地や縫製の特徴を生かして、天然素材を中心とした上質なデイリーウェアを揃える。レディスをベースにしながらユニセックス対応を意識したデザインも特徴だ。「コロナ禍で市場環境は厳しいが、このタイミングで新しいブランドを立ち上げて、それに興味を持って頂ける取引先とは長いお付き合いができる。その意味で良い時期にブランドをスタートできた」(中田浩史取締役)としている。
フランス産のリネン平織りのジャケット(6万円)は、欧州の伝統的な植物由来の染料による製品染め技術でライトブルーに染めた。米国のドイツ系移民「アーミッシュ」のジャケットのパターンを参考に、襟やポケットなどのディテールをシンプルにしたデザインだ。
日本の西脇産地による唐桟縞(とうざんしま)の綿織物を生かしたジャケット(5万3000円)は、経糸の色によって番手を変え、緯糸でも異番手を使うことで、縞模様に独特の奥行きを持たせている。インドの伝統的な男性用カシュクール「アンガルカ」の羽織りをベースにしたドレス(6万3000円)もある。西ベンガル地方で手紡ぎし、手織りした「ジャムダニ織り」の軽やかな生地を使用。これには別注で繊細なオリジナルの文様が入っている。
サステイナブル(持続可能性)を意識した商品では、エアバッグの廃材を使用したフランス産のエスパドリーユ(1万2000円)や、工場で出る残糸を再利用した国産のマルチボーダートップ(1万6000円)もある。また現在、即納可能なコロナ対応のマスクを販売。インド産の綿・シルク複合生地を表地に使い、肌に触れる裏地にはオーガニックコットンのダブルガーゼを使用している。「夜洗えば、朝には乾く」速乾性も訴求ポイントだ。
キタンの21年春夏展は、アングローバル・本社ショールーム(東京・渋谷)で8月7日まで開催中。8月17~21日にも開催する。