50周年を迎えた「アニエスベー」は、6年ぶりのショーを行った。ブランドを象徴するカーディガンプレッションの重ね着でスタートし、75年から25年までに登場したスタイルを振り返る旅のように見せた。
プリーツ襟の付いたシャツジャケットとパンツのセットアップ、リネンを使ったスタンドカラーのフロックコートなど、シンプルな形で襟に緊張感のあるワードローブに背筋が伸びる思い。きりりとしたジャンプスーツや鮮やかなピンクのワークブルゾンのセットアップなど、ワークウェアをファッションとして定着させた美意識にも気づかされる。
フィナーレはデザイナーのアニエス・トゥルブレが登場し、ランウェーを囲む観客に「ありがとう、ありがとう」と繰り返し伝えながら通り抜けた。

(須田渉美)