18秋冬東京コレクション アワード受賞ブランドずらり

2018/03/28 16:45 更新


 アマゾン・ファッション・ウィーク東京18年秋冬は最終日、東京ファッションアワードを受賞したブランドによるショーが相次いだ。東京から世界への進出をサポートするファッションアワードに選出されたブランドの、興味深いクリエイションが揃った。ショー形式で映えるブランドとそうではないブランドがあり、見せ方のデザインまでクリエイターの意識の高さを考えさせられる。

(小笠原拓郎、写真=加茂ヒロユキ)

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 もっとも注目を集めたのは、すでにセレクトショップでも販売されているディガウェル(西村浩平)であろう。MA-1が解体されてプルオーバーになり、ニットの後ろ身頃にスラッシュを入れて布帛で切り替える。

 ケーブルニットとスタジャンとMA-1が合体したようなアイテムなど、アイデアとプロダクトは面白い。そのコンセプトを推し進めて、背景にあるオリジナルの世界の濃さが見えてくるとショーでも映える。

ディガウェル

 クオン(石橋真一郎)は手仕事とパターンメイキングに特徴のあるブランドだ。藍染めや墨染め、吉野格子に遠州藍織りなど、日本の技術を生かした織りと染めにこだわって、それをカジュアルな気分のアイテムに仕立てる。野良着のような襤褸(ぼろ)、刺し子のパッチワークなど、使い込んだ風合いの持つ魅力を表現している。

 使い込んだ服の魅力を強調したブランドといえば、「グレッグ・ローレン」や「ポール・ハーンデン」などが挙げられる。そのコンペチターとしてのクオンの強みはどこにあるかというと、日本由来の素材作りや石橋のキャリアのパターンメイクの部分だろう。今回は素材が気になったが、カットがより強調されるとショーでもエッジが立って見える。

クオン

 エフシーイー(山根敏史、山根麻美)のショー会場には大きなテントが建てられている。現れるのはたくさんのアウトドアアイテムを着たモデルたち。中わたの量感、リフレクターテープ、パッデッドパンツにパーカやバイカーズジャケット。そんなアイテムとディテールを組み合わせレイヤードする。

 アウトドアミックスのレイヤードスタイルというトレンドの本流をカバーした。

クオン

 ソーイ(伊藤壮一郎、高木祐基)は、プレゼンテーション形式でメンズとレディスを見せた。サッカーやラグビーの要素をトラディショナルなスタイルに取り入れている。メルトンコートはニードルパンチで、サッカースタジアムの観客のプリント地へと変化。チェックのコートの襟元にはサッカースタジアムで売られているチームのマフラーを巻く。

 チームマフラーを切り替えたセーターや、ラガーシャツをモチーフにしたシャツアイテムもある。

ソーイ

 チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス(志鎌英明)はバンダナパッチワークのトップや洗い加工のコート、襟にピンバッチを付けたコートなどのストリートスタイルを見せた。

チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス

 ボディソング(非公開)はフュージョンバンドの生演奏とともに見せた。ポーチや携帯電話をぶら下げたデニムパンツやずるずると長い袖のニットドレスなどデコンストラクトとスポーツを軸にした。

ボディソング

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