アディダスCEO「東京に重点投資」

2015/05/22 17:21 更新


 「東京は世界的にみて成長が期待できる都市で、今後スポーツとファッションを融合し重点的に投資を進めていく」。独アディダスグループのハーバート・ハイナーCEO(最高経営責任者)は都内で会見し、2020年までの新たな中期経営計画を発表した。

 新中期計画は連結売上高(為替調整後)で年率平均1ケタ台後半、純利益で年率15%以上の増加を見込み、配当性向を30~50%に引き上げる。「消費者にとって新しいものこそ価値がある」との考えから「クリエーティング・ザ・ニュー」を新戦略とし、スポーツを軸に更なる成長を目指す。

 成長戦略は「スピード、シティ、オープンソースの3つの戦略的選択」を通じて実現する。スピードでは、生産リードタイムの大幅な縮小や期中生産などとともに、自主管理売り場の売り上げ構成比を60%まで高め、Eコマースビジネスで20億ユーロ以上をめざす。

 シティでは世界のGDP(国内総生産)の8割を占める都市部を重視し、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海、東京の6国際都市をフォーカス・シティに選定した。中期計画は6都市に人材、販促、マーケィングなどを重点的に投資し、「世界の主要都市での市場シェアやマインドシェアを獲得」する。

 オープンソースでは、中核ブランドの「アディダス」「リーボック」「テーラーメイド」に投資を集中し、外部との協業を拡大する。消費者とのつながりを強めるために、同社では本社・各国子会社ともにマーケティング部門をはじめ各部門で「消費者中心の組織体制」を整えた。

 フォーカスシティの東京では2020年度に向け、中期計画初年度の16年を待たず「ネイバーフッド型の直営店の出店や、パフォーマンスストアのホームコート業態の出店、ランニングやフットボール、テニスでのグラスルーツの活動などを15年から開始する」。

 中期計画では「さらに60億ユーロの増収」によって連結売上高2兆円企業になることが確実視され、「アディダスグループが成長企業であり、ほとんどの競合企業よりも速いスピードで成長していける」と語った。

 



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