21~22年秋冬パリ・コレクション 手仕事の技を散りばめたガーリースタイル

2021/03/12 06:26 更新


 21~22年秋冬パリ・コレクションは終盤、ビッグブランドの映像配信が相次いだ。温かな雰囲気や手仕事の技を散りばめたガーリースタイルが広がっている。

(小笠原拓郎)

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 「ルイ・ヴィトン」は無人のルーブル美術館館のミケランジェロ・ギャラリーとギャラリー・ダリュをランウェーに選んだ。イタリアのアーティスティック・デザイン・アトリエのフォルナセッティとのコラボレーションによるコレクションだ。秋冬もニコラ・ジェスキエールらしいハンドクラフトの技術を生かしたスポーティーでガーリーなラインが揃う。

 ボンディングクロスの張りのあるアウターとシャープなデニムパンツ、パンツはサイドジップのブーツにインして、量感のメリハリを強調する。ボリュームアウターとともに目立つのは、膝のあたりにふわふわとしたフリルを飾ったドレスやスカート。立体的で構築的なフォルムに、ふわふわとしたフリルの装飾が動きを加える。ブーツはサイドのファスナーを開けることで、動きやボリュームを強調する。肩回りにたっぷりの量感をとったケープやケープレットは彫刻のようなフォルム。レザージャケットやレザーのベストはマットな質感で縦長のラインを強調し、そこに合わせる膝丈のバルーンスカートがコントラストを作る。トラペーズドレスは、そのシンプルなカットとは対照的にビジューやラメの装飾をのせる。パンツスーツは袖をスラッシュしてケープのように。スリーブレスジャケットやドレスには彫刻の柄をのせる。古代ギリシャ・ローマ時代の文明や彫刻の持つフォルムからイメージを広げたコレクション。

ルイ・ヴィトン
ルイ・ヴィトン
ルイ・ヴィトン

 「ミュウミュウ」は雪山を歩くガーリースタイルを見せた。ニットのマスクやヘッドピース、ボリュームたっぷりのキルティングのセットアップ。ブルーやピンク、グリーンやパープルといったきれいな色を温かな素材にのせていく。クロシェニットのドレスにレトロな柄のセーター、ガーリーなラインに懐かしい雰囲気を添える。キルティングのボディースーツをレイヤードしたスタイルは、ノスタルジックな雰囲気と可愛らしさが共存する。柔らかなシアリングコートとは対照的に、メタリックな刺繍やスタッズを飾ったランジェリードレスがほんのりと強さをプラスする。たき火を囲んで歩く映像でフィナーレ。ミュウミュウらしいレトロでガーリーな中にあるちょっぴりの毒を感じさせた。テーマは「brave hearts」(勇敢な心)。

ミュウミュウ
ミュウミュウ
ミュウミュウ


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