被災地を“マラニック” 三陸の3市で「トモスラン」

2013/10/02 10:58 更新


 「東北に希望の灯りを!」。11月2~4日、東日本大震災の被災地である岩手県三陸地域を舞台に「TOMOSURUN」(トモスラン)が開催される。陸前高田、大船渡、釜石の三市をまたいで“共走”するイベントで、今年は2回目となる。距離は55キロと33キロ。当日は現地の商店なども協力する。

 発起人はインテリア専門商社や、セレクトショップの店舗マネジャーなどをしていた山本喜昭さん。「自分の好きなランニングを通じて復興に関わりたい」という思いがきっかけでスタートした。

 マラソンではなく、“マラニック”イベントであることが特徴で、前夜祭からゴール後まで走る以外の時間も重視する。マラニックはマラソンとピクニックを合わせた造語で、自然を楽しみ長距離を走・歩行するもの。

 ボランティアも含めた参加者と現地の人たちが交流したり、風土を体感する機会を充実する。前夜祭では陸前高田市にともされている「希望の灯(あか)り」をキャンドルに分灯するセレモニーの開催や、コース途中の「おおふなと夢商店街」では軽食の提供やランナーを盛り上げるイベントを催す。 

 「『みんなでやろうよ』というスタンスで臨んでいる」と山本さん。「そもそも、限られた人数を被災地に連れて行くだけで経済を活性化できる役割を果たせない。ただし、年一度みんなが楽しみにする“祭り”を作っていきたい」と考えている。実行委員は前回より4人増えて、7人になった。前回走った人が自ら「やりたい」と手を挙げたためで、少しずつだが共感の輪が広がり始めている。(2013年10月02日付け本紙)

写真=「ともに楽しむ」がテーマの「トモスラン」(写真は1回目の様子)
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