Zホールディングスは、中核子会社のLINEとヤフーを合併する方針を決めた。23年度中をめどとする。広告市況が悪化するなか、グループ経営の意思決定を更に迅速化、重複機能やサービスの統廃合などでグループの全サービスの付加価値の向上を目指す。
4月1日に新体制へ移行する。川邊健太郎代表取締役社長Co-CEO(共同最高経営責任者)と出澤剛代表取締役Co-CEOによる共同最高経営責任者体制を廃止。川邊氏は代表取締役会長となり、出澤氏が代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)を務める。慎ジュンホ取締役GCPO(グループチーフプロダクトオフィサー)が代表取締役に就任、プロダクトファーストを強化する。23年度中に事業領域ごとのカンパニー制度の導入を予定する。
今回の体制変更について川邊社長は、「2018年から5年間社長を務めた。その間に市場公約として、20年代前半に国内物販EC取扱高ナンバー1と、2023年度調整後EBITDA(金利・償却・税引前利益)3900億円を実現すると掲げた。しかし、尽力したが、環境変化と力不足で目標を達しえないと分かった。よりグループを飛躍させる上でいったん、けじめをつけたい」と語った。
ECでは、ペイペイモール、ヤフー!ショッピング、買収したゾゾでの取り組みが奏功し、5年で取扱高は倍増した。2019年には競合を抑えるも、「コロナで変調。GMV(流通総額)の成長が乱れた」とする。「これまで強くしたところとアセットを有効活用し、競合に負けないオリジナリティーの高いプラットフォームを作り、シェアを伸ばしたい」という。
出澤氏は、「議論を重ねて今日が来た。統合時、日本発、アジア発のAI(人工知能)テックカンパニーを目指すと話した夢を本当の意味で実現していきたい」と抱負を語った。