YKKとYKKスナップファスナーは学生を対象にしたファッションコンテスト「第21回YKKファスニングアワード」のグランプリと各賞を発表した。グランプリは、アパレル部門が香蘭ファッションデザイン専門学校の行廣賢太さん、ファッショングッズ部門は文化服装学院の鄭振甫さんが受賞した。
応募総数は67校から7879点(アパレル部門6485点、ファッショングッズ部門1394点)。応募作品の中からグランプリ各部門1点(賞金100万円)、優秀賞各部門1点(同20万円)、特別賞各部門2点(同10万円)を選んだ。
受賞者にはトロフィーや創作活動用のYKKファスニング商品の無償オーダー権が贈られるほか、今回は昨年に引き続き副賞も設定。グランプリにはJUKI製ミシンを贈呈するほか、アーバンリサーチの店舗(表参道・京都)で期間限定で展示する。
アパレル部門グランプリの行廣さんの作品は、ジーンズというわかりやすいアイテムを題材にしながらも、高い技術を発揮するだけでなくウィットに富んだ造形を実現。作り手の真摯(しんし)な姿勢が「海外も狙える」と評価された。ファッショングッズ部門グランプリの鄭さんの作品は、フェイスシールド、チェストバッグ、ベスト、フォンホルダーを再構築したもの。アイデアを高い完成度で具現化し、ポジティブなメッセージを発信したことが評価された。
今年もコロナ下で例年通りの開催は難しい状況だったが、閉塞感を打破するには学生の作品制作機会の創出が不可欠という思いも込め、コンテストの開催を決めた。YKKの大谷裕明社長は「大量生産・大量消費ではなく、気に入った1着・1点を長く使うという時代に必ずなる。新しい時代に合ったクリエイションが生まれるように、来年以降も必ずコンテストを継続していきたい」とコメントした。