ヤギは、強みとするオーガニックコットン(OC)の販売を強化する。24年度の取扱高は前期比25%増だった。今年度は国内の糸売りに加え、海外向けを大きく増やす。
相場の落ち着きや「海外では(綿であれば)OCが標準になってきた」と日本企業の輸出生地でも引き合いが強まっている。そのためベトナムやインドネシア、上海などの海外現地法人と連携し販売を伸ばす。安定供給、価格メリットなどに加え、同社独自のOCトレーサビリティー(履歴管理)システム「コットンアイディー」を使って提案を強める。
ヤギは環境配慮型素材ブランドを「ユナ・イト」に統一し、OCは「ユナ・イトオーガニック」としてブランディングしている。インド産が約9割を占め、トルコ、エジプトのOCもある。ユナ・イトオーガニックは糸品種が20以上に広がり、レギュラー糸から置き換えができる体制を整えてきた。今後は綿100%以外にもリサイクルポリエステルとの混紡糸なども増やし、機能糸ニーズに対応する。

OCの活用をインド農家の支援活動にもつなげている。一般財団法人PBPコットンと共同でプロジェクトを立ち上げ、OC糸の出荷ケース単位ごとに寄付金を積み立ててPBP財団に還元することでインドの綿花農家の有機農法への転換支援や自立支援、就学支援などに役立てている。
ヤギは3月末、インド・グルガオンで現地法人を立ち上げた。OC糸の調達に加え、インドでOCを使った生機を生産し、ベトナムなど第三国に販売する考え。