《視点》共感販路

2018/10/04 06:23 更新


 クラウドファンディングを活用して、こだわったジーンズが売れている。1万5500円と高額ながら発売当日の販売は23本と好調なスタートを切った。ストレッチ素材を用い、ウエストにインタックを入れシャーリングにしたテーパードスリムスタイル。細部にこだわりを持つジーンズだ。

 電気工事屋の社長が立ち上げた。ジーンズだけでなく服作りではズブの素人。作る決心をした理由は、欲しいジーンズが見つからず自分の欲しい物を自分で作るしかなかったから。

 昔、タック入りジーンズがカッコよく見えた。いろいろな店を回り、欲しいジーンズを探した。しかしウエストで合わせ、裾をカットするとジーンズのバランスが崩れ、格好がつかない。欲しいのは自分の年齢、体形でもカッコよく見せられるジーンズだ。企画のプロを探し出して相談し、素材、縫製、加工は国内で手配できた。

 通常、ブランドを立ち上げてもネットでは簡単に売れない。しかし名前が知られていなくても、クラウドファンディングでは共感を呼べれば売れると証明する。小資本でサンプルを作り、受注生産で対応できる。在庫を持つ必要はなく少ないリスクで済む。個人のこだわりや思いを生かし、国内生産を生かす道がここにあるかもしれない。

(稔)



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