ユナイテッドアローズが、「ユナイテッドアローズ原宿本店」を7日、リニューアルオープンした。開店から25周年の節目に、メンズ館とウィメンズ館を統合した「ユナイテッドアローズ・ワン」として、原宿という立地で、性別や年齢を問わずファッションを愛好する客層に響く店を目指す。
(柏木均之)
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◆六本木と違う役割
主力業態であるユナイテッドアローズの新たな旗艦店としては昨秋、六本木ヒルズ店をリニューアルオープンした。幅広い客層に向けた商業施設内の同店に対し、人の往来が多い通りから少し離れた場所にある原宿本店は、リニューアルを機に「六本木とは違うスタンスでファッションを楽しむ人たちに向けたもう一つの旗艦店」にしていく。
1階は20~30代向けメンズ「ユナイテッドアローズ&サンズ」。地下はメンズのデザイナーブランド。2階はメンズカジュアルからウィメンズのフロアに改装し、食器や家電も置く生活雑貨のコーナーも設けた。3階はメンズのドレスフロアだ。売り場は分けたが、メンズで扱う「オーラリー」「サイ」などの同一商品をサイズ違いでウィメンズでも売る。高級紳士靴「ジョン・ロブ」の女性用も仕入れた。
男女別に整然と分けた売り場で全方位の品揃えをすることはあえて避け、「男性、女性の区別なく、どちらの商品も自由に選べる店」にする。小木基史ディレクターは「半年サイクルで変わるトレンドを毎シーズン買ってもらう商売は限界に来ていると感じていたし、同時に流行に縛られないスタイルを店が考えて、それを押し付けるようなこともしたくなかった」と話す。



◆顔が見える売り方
ドレス売り場は鴨志田康人ディレクター、それ以外のメンズは小木ディレクター、ウィメンズは浅子智美バイヤーが自身の個性やアイデアで品揃えを考え、「生産者を紹介して野菜を売るように、仕入れた人や作った人の顔が伝わる売り方」を目指す。常設の売り場以外でも、雑貨や古着を売る個店と組んだ期間限定イベントを開催し、来店動機を常に喚起する。
原宿は飲食店や他の娯楽を提供する店が少なく、ほとんどがファッションを売る店で成り立つ世界でも珍しい街だ。その街に新しい何かを求めて海外からも客が訪れる。25年目を迎えた原宿本店のリニューアルの狙いは、そうした街で存在感を発揮する、「大人が選ぶ本物」と「ストリート世代に響く今どき」の両方が買える、新しいセレクトショップを改めて作ることのようだ。


