4月1日付で豊田通商の社長兼CEO(最高経営責任者)に就任する。2日に開かれた記者会見では「変化を恐れず、変化を楽しみ、変化を創り出すをモットーに経営に臨む」と語った。15年からの業績不振で16年3月期は過去最大の赤字決算となったが、17年3月期にはV字回復し、過去最高益に転じた。18年3月期も順調という。このタイミングで「さらなる飛躍と若返り」(加留部淳代表取締役社長兼CEO)を期して社長交代となった。
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貸谷新社長は入社後に配属された大阪で海外事業に携わり、99年にフランスへの語学留学を経て、モロッコに駐在。その後、イギリスにも赴任し、30代を海外で過ごし、グローバルな仕事と知見を積み上げてきた。帰国後も12年に豊田通商の傘下に入った仏商社CFAO(セーファーオー)の副社長を務めた。
13年間に及ぶ海外経験で英語と仏語に堪能。グローバルな事業展開の拡大に打って付けのトップと言えそうだ。
「AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)が進展する中、新しい発想と想像力」が求められるとする。社内の五つの本部を経験し、それぞれの業界についても幅広い知見を持つ。(康)