《ニュースの顔》東急百貨店 大石次則新社長

2018/03/01 04:29 更新


東急百貨店 大石次則社長

 東急電鉄で街づくり戦略、リテール事業を担ってきた。SCの開発、運営を手掛けただけに、「百貨店の強みは商品の目利きや編集力。グループの中で百貨店機能を自前で持っているのは大きな財産」と言い切る。その象徴となるのが12年4月に開業した渋谷ヒカリエだ。東急百貨店の屋号を使わず「シンクス」として賃貸テナントとの境目のないクロスMDで、成功モデルを創出した。

 百貨店は飽和状態にあり、新規出店を前提とした成長戦略を描くことができない。「館まるごと百貨店にするのは難しい。専門店、EC、サービスなど百貨店を起点とした事業、ノウハウの組み合わせや切り出しが必要」と強調する。既存店の構造改革と、新たな顧客接点の拡大による新規・成長事業の確立を目指す。

 「二橋千裕会長が社長在任8年間で積み上げてきた百貨店業の礎を引き継いで、さらに磨きをかけて仕上げていきたい」とグループ内外の幅広い人脈を新たなビジネスモデル作りに生かす考えだ。

 座右の銘は江戸時代の儒学者、佐藤一斎の「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら慎む」。他人に優しく自分に厳しくを地でいく。趣味のサッカーは学生時代から続けており、今もプレーヤーとして現役だ。58歳。(浦)




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