東神開発が東京都世田谷区の二子玉川駅前で運営する玉川高島屋ショッピングセンターは11月11日に開業50周年となるのを機に、大型改装を開始した。秋から来春にかけて核店舗の高島屋玉川店を含めて97店を刷新、食、高感度ファッション、ライフスタイル提案型店舗、体験型店舗を拡充する。専門店ゾーンは共用部も改修、「時間消費」機能も強める。
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11年に近隣に大型複合施設、二子玉川ライズが開業して以降の来街者の増加と客層の広がり、ニーズの変化に対応し、「買い物目的主体のSCから、お客が時間を過ごすために来館する〝玉川流ライフスタイルセンター〟への進化」(高田明宏取締役営業本部玉川事業部長)を目指す。
専門店ゾーンだけで約20億円を投資する。高島屋と専門店を合わせ、既にオープンした店舗を含めて新店29店を導入し、63店を移転・改装する。
本館と南館の地下1階の食物販ゾーンを「暮らしのベース」として強化する。高島屋と一体で取り組み、「百貨店がある強みを生かし、他のSCと差別化する」。これまで高島屋部分を「フーズギャラリー」、専門店部分を「フーズシティ」としていたが、大半の新店・改装店がオープンする18日からフーズシティに統一する。
高島屋と専門店を合わせて新店14店を導入、29店を改装する。百貨店は「強み」の自主編集売り場を拡充する。老舗・有名店を揃えた「味百選」と和菓子店を揃えた「銘菓百選」を隣接させ、売り場面積を2倍の約100平方メートルにする。「ハレの日や手土産に対応する上質な商品」をさらに強化する。
専門店は新店8店を導入、18店を移転・改装する。働く女性客が全体に増えていることに対応し、イートインスペース併設店や「次世代に対応する」店を増やす。開業時から入る食品スーパー「明治屋」が18日に全面改装オープン、総菜などを強化する。さらに、南館の食物販ゾーンを増床し、18日に台湾ティー「ゴンチャ」(約66平方メートル)、11月中旬に「カルディーコーヒーファーム」とカフェ「カルディーノ」の併設店(約256平方メートル)を導入する。
食物販以外では、専門店で新店12店を導入、38店を移転・改装する。既に「ジョン・スドレー」を入れるなど高感度ファッションを強化すると同時に、南館5階に「チャコット」、14日には「ニューバランス」「デサントブラン」を入れて「スポーツを軸に体験型のウェルネスライフスタイル提案」を強める。
「過ごす場・集う場としての機能を高める」ため、南館7階屋上を植栽で囲んだ空間に改修、ベーカリー・レストランも導入して11月8日にオープンする。8階に約220平方メートルの人工芝を敷いた「アクティビティスペース」を新設、チャコットなどテナント主催企画を中心に体験型イベントを行う。来春には本館1階の吹き抜け空間を改修、書棚の本が自由に読める場にする。同時に利便性と上層階との回遊性を高めるため、同階入り口近くの階段をエスカレーターにする。これに合わせて、来春は2階の店舗を改装する。