サントリーグループ 100%植物由来のPETを開発 木材チップからワンステップ

2021/12/08 06:26 更新


植物由来100%のペットボトル。早期の実用化を目指す

 サントリーグループはこのほど、植物由来100%のPET(ポリエチレンテレフタレート)の開発に成功し、試作品が完成した。化学ベンチャーの米アネロテックと開発を進めていたもので、木材チップから原料のパラキシレンをワンステップで製造できた。

 PETはテレフタル酸70%とエチレングリコール30%を重合して作る。植物由来のエチレングリコールはすでに量産されており、もう一方のテレフタル酸の元となるパラキシレンを植物由来で製造する方法が世界的に模索されている。

 これまでに開発されている他社プロセスでは、糖を原料に中間体を製造する工程を複数経てパラキシレンを得るものがある。これに対し、今回のアネロテック技術では、熱分解と触媒反応によってワンステップでの生成に成功し、原料も非可食の木材チップのみを使用した。

 また同技術は、サントリーや東洋紡、大日本印刷、岩谷産業などが共同出資して昨年設立したアールプラスジャパン(東京)が推進するリサイクル技術の元となっている。

 木材チップ由来のテレフタル酸と、廃糖蜜由来のエチレングリコールで100%植物由来のPET樹脂を製造し、ボトルを試作。サントリーグループは30年までにすべてのペットボトルをリサイクル素材あるいは植物由来に置き換えることを掲げており、今後、植物由来100%ペットボトルの早期の実用化を目指す。

 これとは別に、繊維用途では東レが植物由来100%のポリエステル(PET)繊維を試作済みで、20年代の早いうちに商業化を目指している。

非可食材を使い、ワンステップでパラキシレンを製造


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