アメリカでは11月最後の木曜日は、祭日となる感謝祭。その翌日はブラックフライデーと呼ばれ、歳末商戦の火蓋が切られるのだが、年々そのクレイジーぶりに拍車がかかっている。
本来、感謝祭は家族で七面鳥を初めとする感謝祭の料理を囲んでゆっくり過ごす日で、今までは感謝祭の日はスーパーマーケットを除けば店は閉まっていたものだ。ところが今年は、感謝祭の夜に開店するデパートやディスカウントストア、ショッピングモールが出現。感謝祭の夜やブラックフライデーの朝に時間限定の割引セールがあるため、少しでも安く買いたい消費者が我先にと店に押し寄せる。
テレビのニュースは、開店と同時に店に怒涛のようになだれ込む買い物客、店内で激しく商品を取り合う客たち(ときにはそこで銃をちらつかせる客がいるなんて事件もあったりするのがアメリカっぽい)など、エスカレートぶりを報道する。あるテレビニュースでは、イスラエルからやってきて空港からトイザラスに直行し、大きなショッピングバッグ2袋分の玩具を買い込み、2日後にイスラエルに帰るという男性を紹介していた。
今年のブラックフライデーの割引率は、ギャップ、フォーエバー21、H&M、エアロポステール、ザラなどは50~75%引き、その他は25%引きが多かった。
バナナリパブリックでは、オンラインで買って店で取り置きしておいてもらえるサービスを実施。これは、品切れになる心配をしなくてすむから、むやみに早く店に行く必要がなくて便利だ。
ほとんどの店が割引をするが、まったくしない店もある。去年は、ナイキタウンやロックフェラーセンターのマイケルコースはブラックフライデーでもほとんど正価販売だったが、それでも多くのお客が買い物していた。
歳末商戦のためのコラボラインを発売する店もある。去年はレディ・ガガとのコラボラインをやったバーニーズは、今年はラッパーのジェイ・Zとのコラボライン「ア・ニューヨーク・ホリデー」を発売した。マジソン街の本店入り口には、メタリックなインスタレーションが出現。
中に入ると、浮かぶマンハッタン島の朝から夜まで、そして四季がもたらす光と影をデジタルテクノロジーで見せている。これはなかなかきれいだ。
「ア・ニューヨーク・ホリデー」は、メンズ館3階に特設されたギャラリーで販売され、そこでもデジタル画像を見せている。
しかし、レザーのボクサーショーツ2590ドル、18kの時計33900ドルって売れるのだろうか?若い男の子たちのグループが875ドルのレザーの野球帽を試着していたが、被ってみただけ、という様子だった。売り上げのすべてはジェイ・Jのチャリティー団体であるショーン・カーター・ファンデーションに寄付されるこのコレクション、来年1月3日まで限定販売される。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)