蝶理グループの繊維商社、STXは前期(25年3月期)で現中期経営計画(今期が最終年度)の数値目標を達成したため、今期の税引き前純利益目標を大幅に引き上げた。
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前期の連結業績は前年実績と比べて売上高が6.8%増、税引き前純利益は28%増と好調。単体、連結ともに伸びている。酷暑に対応し、ベトナムの自社工場を中心に中・軽衣料を充実して販売量が増えている。「顧客の信頼を勝ち取り、受注が好調。9月までいっぱいの状態」と自社工場はフル稼働が続く。そのため、「STXファクトリーロンアン」(SFL)の生産ラインを7月に現状の4ラインを6ラインに増やす。主力の自社工場SGSも重衣料中心から中軽衣料へシフトし好調だ。
苦戦するのは国内産地向けの原料販売。糸の強さを生かそうと、インドのオーガニックコットン「コンフィル」や高品質な4級原料だけを使ったラミーの「ラミー4(フォー)」などオリジナル糸のブランディング、活用に力を入れる。独自糸を海外のニッターなどに販売して生地で買い取り、製品にする事業も拡大している。
「海外現地法人が伸び、連結拡大も進んだ」(髙丸雅弘社長)と海外も増収増益。中国、ベトナム法人を軸に、「オウンビジネスが増えてきた」。特に上海法人は糸、製品事業が伸びた。衣料品に加え、雑貨・小物などライフスタイル関連商材が良い。
今期(26年3月期)も増収増益計画で、特に利益は「現中計策定時に30年目標として立てた数値を5年前倒しで達成したい」考え。「繊維にとどまらず、ライフスタイル全般に対象を広げる」と事業領域を4月から拡大した。
来期からの新中計では、新規事業の創出・拡大、ビジネスモデルの変革、海外事業の拡大などに力を入れる。海外では、「内販、オウンビジネスをもっと強める」と大きな成長を狙う。