ストライプの「ホテルコエ」9日開店、海外進出の試金石

2018/02/08 18:00 更新


1~3階に飲食、ファッション、ホテルなどが入る「ホテルコエトーキョー」

 ストライプインターナショナルは東京・渋谷に9日、「コエ」のホテル併設型グローバル旗艦店「ホテルコエトーキョー」をオープンする。宇田川町に新たに建設されたビルの1~3階に入居する。総面積約1500平方メートルの超大型路面店で、宿泊、ファッション、飲食、音楽など様々な体験を提供し、顧客とのエンゲージメントを高める。売り上げ目標初年度8億円、3年以内に10億円を掲げ、海外市場やECへの波及効果も狙う。

 3階のホテルは茶室をコンセプトにモダンにアレンジした、ミニマルでスタイリッシュな内装にした。4タイプ、10室あり、スタンダードタイプで室料3万6000円から。渋谷の街を体感できる立地で、予約の半分程度をインバウンド(訪日外国人)客が占めているという。宿泊者向けのラウンジもある。

 2階はコエのメンズ、レディスのアパレルや、土産にも向く生活雑貨、渋谷店限定商品などを扱う。夜9~11時はセルフ&キャッシュレスレジで無人店舗として営業する。1階のおしゃれなブレッド&ダイニング「コエロビー」は朝から夜まで多彩なメニューを用意。インバウンド客にはテリヤキバーガー、ラーメン、しめサバ、焼きおにぎりなど日本の食文化をあえて雑多に提案する。音楽ライブや期間限定店などのイベントスペースもあり、コミュニケーションの空間として店内に大階段を設けた。

 「渋谷店は体験型コンテンツを通じて、お客様との関係を深めるのが目的だ。服だけなら来店頻度は限られるが、例えば渋谷で働く人が朝食を食べたりコーヒーを買って出勤するなど、月1回、週1回来る店にしたい」と石川康晴社長。渋谷店の発信力でブランドイメージを向上させ、大型ショッピングモールなどに出店する既存店も「イメージが良い上に、商品が安いと感じてほしい」。アイテムやサイズ発注の改善により既存店は2ケタ増収ペースという。さらに渋谷店は20代も取り込む。

 顧客を囲い込む上で将来的には渋谷店を、海外のスーパーマーケットなどに見られる会員制にして電子決済で買い物してもらう可能性も検討する。会員へ特別な体験を提供し、実店舗だけでなくECでもつながりの強い顧客を作るといった“ニューリテール”を構想する。

 渋谷店はグローバルを意識した業態だが、売り上げ目標の達成に加え、インバウンド比率が3割を超えるかどうかをコエの海外進出の判断基準とし、実際の客層やSNSを分析してニーズが高い国に出店したいという。

ホテルの客室は茶室をコンセプトにした
2階のアパレルは夜9~11時はセルフで買い物する
1階では朝から夜まで多彩な飲食メニューを提供
飲食メニューはインバウンドも意識した


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事