スポーツ×ファッション再注目のワケ

2015/03/16 09:25 更新


《知・トレンド お答えします!》洗練されたスニーカースタイルの気分

 スポーツとファッションの市場が盛り上がっています。昨年秋以降、スポーツをキーワードにしたファッションの新ショップや、大手スポーツメーカーと国内デザイナーの協業が相次いでいます。スポーツとファッションの融合は、スポーツのライフスタイル化の中でこれまでも期待されながら、日本ではなかなか定着しなかった分野。なぜ今、再び注目が集まっているのでしょうか?(石井久美子)

 3月上旬、マッシュホールディングスのマッシュスポーツラボによる新業態「エミ」がルミネ有楽町に1号店をオープンしました。店内では有名スポーツブランドのスニーカーを数多く並べ、スニーカーとモードな服のスタイリングを提案するほか、スポーツウエアも販売しています。

 ほかにも、ユナイテッドアローズが昨秋に始めた「アンルート」、ジュンが「ナイキ」と組んで今夏立ち上げ予定のレディス新業態など、ファッション企業の取り組みが目立ちます。ナイキと「サカイ」、アディダスと「カラー」など、世界的スポーツメーカーと日本の有力デザイナーの協業も話題となりました。

 こうした動きが一気に出ている背景には、いくつかの理由があります。まずはスポーツテイストがここ数シーズンのトレンドであること。スポーツトレンドの中でスニーカーも売れています。これはアイテム単体のヒットというより、クリーンでモードな服にあえてスニーカーを合わせることや、そうしたスマートな生活自体が今の人々の気分になっていると思います。そしてもちろん、ランニングやヨガなどのスポーツが、ここ数年でさらに日常生活に根付いたことも大きいでしょう。

 ただし、国内のファッション業界での過去の取り組みを振り返ると、スポーツとファッションの融合は簡単ではありませんでした。機能的に完成されたスポーツウエアは、うまくアレンジしないと機能もデザインも中途半端になってしまうからかもしれません。

 今が以前の状況と比べて明らかに違うのが、スポーツやシンプル、ベーシック、モードの流れの中でスポーツファッションがより洗練されていること。街中でも、スニーカーをおしゃれにこなしている人が増えてきました。

 加えて、グローバル市場を想定した日本企業のブランド開発が増えることで、普遍的カテゴリーであり、国や性別問わず幅広い層に対応できるスポーツウエアの重要性は、今後ますます高まりそうです。

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