スポルディング・ジャパン 市場の隙間突き、支持得る

2018/03/01 04:28 更新


 米スポーツ用品ブランド「スポルディング」を日本で販売するスポルディング・ジャパンが展開するサブブランド「スポルディング・ウエルネスト」が売り場を増やしている。「ウォーキングのスターターキット」として年配者向けに手頃な価格で提案したところ、大手スポーツブランドが手掛けない市場の隙間を突き、客の支持を得ている。

【関連記事】スポルディング・ジャパン 「5351プール・オム」と協業品

 16年春夏にスタートしたスポルディング・ウエルネストは、55歳以上のアダルトシニア男女をターゲットに、〝ウェルネス〟を切り口とした商品を開発する。現在サブライセンシーは、アキレス(シューズ)、D&M(サポーター)、パール金属(アウトドア用品)、美濃屋(アパレル)、ロイネ(インナー)の5社。既存のスポルディング商品とは異なる専用商品を開発し、17年春からは独自のロゴマークや下げ札も活用し、ライセンシーごとに売り場で販売している。

 積極的に売り場を増やしているのが美濃屋だ。現在GMS(総合小売業)を中心に約500店で販売する。売れ筋は、アパレル売り上げの約4割を占めるパンツ。チノパン風のカジュアルな見た目ながら、ストレッチや撥水(はっすい)、吸汗速乾という基本的なスポーツ機能を備える。細身のシルエットにも関わらず、股上は深く、尻から膝はゆとりのあるパターンを採用し、対象客層の体形に合わせている。色はスポーツブランドにありがちな原色使いはせず、なるべくトーンを落としている。

 ボトムやブルゾンで3900円、Tシャツで1900~2900円中心という手頃な価格設定も受けた。「ウォーキングを始めたいが、1万円以上する大手のスポーツブランドは手が出せない」として、カジュアルブランドで代用していた客を獲得しているという。

 スポルディング・ジャパンはライセンシーの枠を超えたトータル売り場の開設も検討している。同時に、スポーツ専門店との取引拡大にも意欲を見せている。

年配者に配慮し窮屈さを感じさせない(18年秋冬展示会から)


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事