テレビ通販のジュピターショップチャンネル(東京、田中恵次社長)は19年3月期、40~50代の女性客を増やし、増収増益を目指す。前期まで創業以来21期連続増収と記録を伸ばす中で課題とするのは「ショップチャンネルの認知度」。テレビ通販業態の枠を超え、価値のある商品提案と購買を喚起する表現をオムニチャネルで伝え、新規客層を取り込む。
前期は売上高1630億9800万円(前期比5.3%増)となった。5%超の増収は「予想を超えた着地で顧客からの支持の強さを実感している」(田中社長)という。粗利益率は49.2%と0.4ポイント悪化したが、販売・管理費率は32.2%と前期同様に抑え、営業利益は277億200万円(2.7%増)、純利益191億7500万円(2.9%増)となった。
伸びた要因は、①番組放映の枠・時間の拡大②約30分の録画番組(インフォマーシャル)と新聞広告での新客獲得③新商品の販売が前期比2割増となったこと。放送開始記念日の11月1日は特別番組を11月1~2日の2日間に増やし、売り上げは43億円になった。さらに、SSV(ショップスターバリュー)の中での新しい売れ筋商品群を特別価格で提供するなど、「常に面白い商品と番組を提供」したことが成果につながった。
商品は全カテゴリーが好調な中で、ジュエリー・ファッションは売り上げ構成比が31%(前期34%)と下がったが、価値の高い新作を提案して増収だった。
今期はテレビ通販を軸にしつつ、ネットや紙媒体を使い、これまでリーチできなかった層での認知度を高める。テレビ地上波で放映していないこともあり、他の有力通販企業と比較して認知度が低い。インフォマーシャルや新聞広告の効果は出ているが、主力ターゲットである40~60代女性で「価値観を持って、こだわりの商品を求める」客層へのアプローチを強める。
ショップチャンネルのロゴに「大人の女性に選ばれてナンバーワン」というコピーを採用。各方面で活躍する「目利き力ある」女性を取り上げるウェブマガジン「めききの扉」を制作し、タブロイド版は新聞折り込みで配布するなどしている。急速に認知度が高まるわけではないが「テレビ通販大手企業を超え、ウェブや紙など様々な接点を使って認知される存在になる」(田中社長)考えだ。
