サトーは、店頭の人・商品の情報を収集し活用する店舗デジタル化ソリューションを発表した。人(来店客・店舗スタッフ)と商品の動き・状態の情報をリアルタイムで収集し、業務効率化、顧客体験の向上を図る。
イスラエル・ウィリオット社の電源不要のブルートゥースセンサータグをはじめ、パートーナーの様々な技術を活用する。19年中に大手小売業とともにパイロットを実施し、20年1月の商品化を目指す。
天井のセンサーを使い、人の持つスマートフォン(BLE通信)と商品のタグに付けたブルートゥースセンサータグをトラッキングする。そのデータはシスコシステムズのソフトにより、現場でリアルタイム処理し、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「アジュール」に保存する。
同社のヘッドマウントディプレー型複合現実デバイス「ホロレンズ」で、来店客の動線やよく見られている商品など、人と商品の動きを可視化・分析が可能になる。膨大な購買行動データの活用については、清水聰慶応義塾大学商学部教授と共同研究する。
このブルートゥースセンサータグは切手サイズで、周囲を飛び交うWi‐Fiやブルートゥース、携帯電話の電波で発電し、IDや位置情報、温度・圧力情報などをブルートゥースで発信する。電源レスだから棚卸しがリーダー不要で自動化できる。
店舗での活用にとどまらず商品に埋め込めば、販売後の利用状況なども分かり、消費者と企業の新しいコミュニケーションづくりも可能になるとみている。消費者の行動情報は物作りや物流効率化に活用することが期待でき、需要予測に活用できれば消費者までつながったサプライチェーン全体の最適化も可能になる。
サトーは、ウィリオットとのアーリーアドバンテージプログラムに基づき19年中に実証実験を実施する。チップの提供を受けてブルートゥースセンサータグを生産することも検討している。

「リテールテックジャパン2019」で設けたブースでは、21年のデジタル化されたアパレル小売店舗を想定。客が商品を手に取ると店内のサイネージや客のスマートフォンに商品情報などを表示するリアルタイムプロモーション、商品を持ち込むと壁のタブレットに色・サイズ違いの在庫情報を表示しスマホにはクーポンを配信するスマート試着室、商品を持って精算エリアに入るだけで済む自動精算などが紹介された。
