総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア(東京)は、「ファッション業界職種別平均年収18年版」を発表した。同社が運営するファッション・アパレル業界専門の転職支援サービス「クリーデンス」に18年1~12月に登録した25~39歳の転職希望者の年収データを集計したもの。
年代別の平均年収をみると、25~29歳では1位は「MD・バイヤー」(388万円)、2位は「プレス・販促」(380万円)、3位「営業」(357万円)となった。30~34歳では、1位「OEM営業」(467万円)、2位は「MD・バイヤー」(463万円)、3位「営業」(452万円)となった。35~39歳では、1位は「OEM営業」(563万円)、2位「MD・バイヤー」(516万円)、3位「営業」(510万円)だった。
「MD・バイヤー」は経営者目線や、新しいことを実行し利益を生み出す力が求められることから、高年収につながったとみられる。30代で年収が高かった「OEM営業」は仕様書や洋服の構造に関する知識、海外工場との調整のための海外生産経験や語学力などが求められ、さらに営業力も必要なため、業界で経験を積んだ30代へのニーズが高く、年収の底上げにつながったとみられる。
18年は上期に比べて下期に採用を控えた企業が多く見受けられた。「労働力不足は中途採用だけでなく育成で補う」「採用はこれまで以上に計画的に行う」とする企業が増えた。特に、「プレス・販促」や「営業」などの職種でその傾向が顕著となり、ある程度人員が充足し、採用活動が落ち着いてきたと推定される。転職希望者側では、30代後半から給与の格差が広がり始めている。個人のスキルや成果の違いが主な要因だが、育児や介護のために、キャリアアップ・昇給の優先度を下げざるを得なかったというケースもあるようだ。