16年春夏NY・コレクション

2015/09/15 06:53 更新


自らのオリジンに立ち返って 

 【ニューヨーク=小笠原拓郎、杉本佳子通信員】16年春夏ニューヨーク・コレクションは、それぞれのブランドがそのオリジンを背景にした新作を揃えている。バスク地方を背景にしたアルトゥザッラ、ユーティリティーとセンシュアルをミックスしたアレキサンダー・ワンなど、自らのバックボーンに由来したコレクションが目立つ。

バスク地方の伝統をイメージ=アルトゥザッラ

アルトゥザッラ
アルトゥザッラ

 アルトゥザッラはバスク地方の伝統からイメージして、繊細でエレガントなラインに仕上げた。この地方の素材やクラフトテクニックの美しさを生かして直線的なフォルムに収めたコレクション。

 細かなプリーツを流したクレープのドレス、リネンのしわ感を生かしたコンビネゾンやコート、タテのラインを強調したスタイルにスリットやトッグル、ボタンのディテールを取り入れる。絞りのドレスはスリットとトッグルがアクセント。ナチュラルなリネンのコンビネゾンに貝ボタンをびっしり飾り、ドレスにはパールと貝ボタンを組み合わせて素朴な刺繍を描く。

ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシ
ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシ

ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシ

 ジバンシィ・バイ・リカルド・ティッシは、マジソン街店のオープンとリカルド・ティッシのアーティスティックディレクター就任10周年を記念して、ニューヨークでショーをした。日にちは9月11日、場所は世界貿易センターの跡地のビルがよく見えるハドソン川沿いのピア。

 14年前を思い出す青空が日没とともに薄暗くなり、ツインタワーを象徴する2本の青い光がグラウンドゼロから空に向けてまっすぐに伸びると、ショーが始まった。登場したのは、ランジェリーのような繊細な白いレースのトップ、セットアップ、スリップドレス。1点1点異なるレースを使い、小さなスパンコールやビーズ、メッシュを加えていく。そこに黒のタキシードパンツやスモーキングジャケットをコーディネート。

 パンツはレースのパネルを腰の部分に重ねたり、サイドにサテンのリボンを垂らしたり。ジャケットやコートはしなやかなシルクで仕立て、ローブのようにゆったり羽織る。オートクチュールピースも、「クチュール・エッセンシャルズ・バイ・リカルド・ティッシ」として紹介した。音楽は六つの異なる文化や宗教から選び、平和と絆へ願いを込めた。

Alexander Wang Spring Summer 2016 New York Fashion Week Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only
アレキサンダー・ワン

 アレキサンダー・ワンはデビュー10周年を記念したコレクションを見せた。過去のアーカイブを解体して再構築したアイテムを含むコレクションは、スポーツやワーク、ミリタリーのモチーフとセンシュアルなアイテムをミックスしたもの。アーカイブからの再構築ということもあって既視感もあるが、ユーティリティー&センシュアルのミックスがいかにもワンらしい。

 レーシングブルゾンにデニムジャケットを切り替え、チェーンとレザーのブラトップでフェミニンな気分を添える。レザーストリングスを飾ったミリタリーコートのハードな雰囲気の一方で、サテンのパジャマシャツがエフォートレスなムードを作る。

続きは繊研新聞で

「16年春夏繊研レディストレンドセミナー」お申込みを受付中



この記事に関連する記事