テロが頻発し、重苦しい気分になりがちな世相の中で、くすっと笑いを誘うプリントや楽しいアイデアをさりげなく入れるデザイナーが出てきている。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
◆マイケル・コース
「マイケル・コース」は、島でのリラックスしたイメージに都会の気分を重ねた。ドレスのように見えるジャンプスーツ、シフトドレスとカフタンの中間的シルエットのドレス、パレオなど、流れるようなカッティングでイージーに着られる服が揃う。そこにブラウン、ネイビー、白黒を配したシンプルな花柄をのせて、シックにまとめた。「合わせる靴によって、ドレスアップにもドレスダウンにもなるようにした」とマイケル・コース。
マイケル・コース本人のコミカルなプリントも初めて用いた。トロピカルな柄の中に、白いパンツをはいて来客にレイを渡そうとしているマイケル・コースのプリントだ。「今の時代、何か笑わせるものがいる」というメッセージが込められている。アクセサリーでは、イヤリングやバングルがすべてインパクトのある大きなサイズで、艶のあるラッカー仕上げが多い。
マイケル・コース
◆モンセ
「モンセ」に楽しいカレッジスピリットが加わった。シルクデシンにのせたプリントは、花柄の中にアメフトの選手を何人も紛れ込ませている。タータンチェックや白いシャツには鮮やかな赤やグリーンのストライプを加えて、スポーツテイストを強調。ジップとグロメットで肌をのぞかせるディテールが多く、厚手のデニムとムートンにもカットアウトのテクニックを大胆に入れていく。シルエットは、構築的なテーラードと流れるようなラインをミックスした。
モンセ
(写真=各社提供)