ファッション業界でサステイナブルと透明性の確保が求められていることを受け、欧州で導入が決まっているデジタル製品パスポート(DPP)への関心が高まっている。
スウェーデンの副資材メーカー、ニローンの今口和子日本事務所所長によると、「EU(欧州連合)は26年までにファッションを含む複数のカテゴリーでDPPを義務化すると予想され、欧州で販売する日本ブランドも規制への準拠が求められることになる」と話す。
DPPは、製品のライフサイクル全体をデータで管理・追跡できるようにして、消費者や取引先に情報を提供し、製品のトレーサビリティー(履歴管理)を強化する仕組みだ。対応が遅れると市場競争力を失う可能性がある。
同社はトレーサビリティーなどに対応したシステム「ニローンコネクト」を構築しており、日本ブランドにも提供していく考え。製品ごとに発行されるQRコードを、主にケアラベルに印字することでDPP対応をサポートする。
QRコードを読み込むと原材料や製造過程、リサイクル方法などの情報に一元的にアクセスできる。物作りの背景や着こなしを紹介する動画を組み込んだりすることで、消費者のエンゲージメント向上に結びつけられる。導入コストは企業規模やロットによって変わってくるが、「基本的には通常のケアラベルのコストとほとんど変わらない」とする。