多品種多量在庫で店頭ニーズに応える

2015/06/29 06:31 更新


 レディスアパレルメーカーのニューズ・トレーディング(東京・墨田区)は、年間約3000品番の商品を企画し、在庫リスクを負って年間約600万着を卸売りして業績を伸ばしている。生産の主力は中国だが、製造原価抑制を目的にバングラデシュ生産の比率を高める考え。一方で中高級品の商品開発で単価を高め、店頭のニーズに応える。

 ニューズ・トレーディングはミセス向けカジュアルウエア、レディスヤング、ノンエイジのリラクシングウエアの3つの企画生産・卸販売チームで構成する。従業員数は26人で約半数は企画スタッフ。取引先は量販店と専門店チェーンを主力に、現金問屋などへの販売も行う。

 生産の約80%は中国。同社の南通事業所を拠点に山東省、安徽省で協力工場を組織する。一方で為替動向を背景に、バングラデシュでの生産を強化する方針を掲げる。「中国と比較して生産コストを15~20%抑えることができる。品質も劣っていない。当面は全体の約10~15%、数年後には30%程度に高める」(三井元彦社長)方針だ。

 品質向上にも傾注する。定番品の裏毛カットソーパーカはUV(紫外線)カット機能や質感を高めた素材使いで付加価値を高める。「量販店でも”安かろう悪かろう”の商品は避けられる。中国の工場のレベルアップを図りながら、単価アップに見合う物作りに力を注ぐ」考え。

 同社は約10年前は問屋向け販売が約8割、小売り向けは2割程度だったが「今は逆転して6割強が小売り向けになった」。量販店との取り組み強化と大手専門店チェーンへの販売などで当面は年商45億円を目指す。



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