スカート男子(若月美奈)

2013/08/01 11:48 更新


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記録的な猛暑が続く英国で、高校の男子生徒がスカートをはいて登校してニュースになった。ウェールズのウィットチャーチハイスクールでの出来事。この学校の制服は、女子はスカートか長ズボンを選べるが、男子は長ズボンのみ。そこで、「暑すぎる。僕たちだって短パンがはきたい」と、17人の男子がスカートをはいて学校側に抗議をしたというわけだ。せめて、学校指定の体育着の短パンの着用を認めて欲しいというのが彼らの主張だが、男女平等を訴えるのにスカートは絶好の手段。メディアが飛びついた。


 
デイリー・ミラー(2013年7月19日付)に掲載されたスカートをはいて抗議をする男子高校生たちの記事。


もっとも、スカート姿の4人の男子が並ぶ写真を見ると、それが全く不自然でない事に驚く。胸に校章が入った白いポロシャツに黒いひざ上すれすれのスカート、短めのソックスにスニーカーといった少年たちは、なんともかわいい。いっそのこと、学校側が開き直って男女平等にスカートと長ズボンの着用を許可し、さらにそれに抗議して男子がスカートをはきはじめたらこれが悪くないと定着してしまった、といったことにでもなれば、思わぬところからファッションの常識が覆される。一瞬、そんなストーリーが頭をかけめぐった

そもそものはじまりは1月のロンドン・メンズコレクション。JWアンダーソンが遠目にはスカートにみえるフリルつきショートパンツ姿のモデルを登場させて以来、幾度となく、男のスカートにまつわる原稿を書いている。卒業ショーではワンピースにナマ足の男性モデルをどれだけ目にしたか。ショー会場には、キルトをはいた男性も現れた。キルトはれっきとした男性アイテムなので取り入れやすいらしい。


 
ロンドンコレクションで見かけたキルト姿の男性


2月のロンドン・コレクションでは、同僚男子のマスイユウが問題のJWアンダーソンのフリルつきキュロットのセットアップ姿で現れた。それはなんとも自然で、ショーで見た時の衝撃はなかった。アンダーソンは「女装」ではなく、男女が同じ服を着る「ジェンダーレス」を追求した結果こうしたコレクションとなったわけだが、ナマ足でかっ飛ばしていたショーでは非現実的に思えたその提案は、十分ありなのかもしれない。



 JWアンダーソンの2013-14年秋冬メンズコレクション


 それを着るマスイユウ。本当はフリルのブーツを用意していたが、ジッパーが壊れて泣く泣く急遽靴を変更


長年レディレスウエアを普通に着こなしているマスイユウは、「女装ではない。スカートとハイヒールははかないから」と言い続けていた。ところが、その彼がここ最近ハイヒールを履くようになった。しかしその一方、レディス着用率が減ってメンズが増えたという。「メンズがレディス化していて、レースやシフォンのアイテムもたくさんあるから」。納得。

ジェンダーレスは進んでいる。でも、マスイユウは今だスカートをはいたことがない。スカートの壁厚し! やはり高校男子に期待するしかないのだろうか・・・

 
足をあげないとスカートにしかみえないJWアンダーソンのメンズキュロット


あっと気がつけば、ロンドン在住が人生の半分を超してしまった。もっとも、まだ知らなかった昔ながらの英国、突如登場した新しい英国との出会いに、驚きや共感、失望を繰り返す日々は20ウン年前の来英時と変らない。そんな新米気分の発見をランダムに紹介します。繊研新聞ロンドン通信員

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