三井物産は、生産者と消費者を結ぶトレーサビリティー(履歴管理)プラットフォーム「ファーマーズ360°リンク」を、サザビーリーグのブランド「ロンハーマン」向けに提供する。同プラットフォームを活用して製造した商品が4月1日から販売を開始。同プラットフォームのコットンを採用したTシャツやスウェットパンツなど全6種類の商品は、全国のロンハーマンの店舗とオンラインストアで販売する。
ファーマーズ360°リンクは、アフリカのザンビアコットンを使用したアパレル製品などのサプライチェーンを可視化するもの。商品タグの2次元コードをスマートフォンで読み込むことで、購入者は商品に使用しているザンビア産コットンを生産した農家の人々の暮らしや、生産への思い、農村の様子などについて知ることができる。また、購入者はアプリ上で、肥料導入や太陽光発電ライトの提供などの支援プログラムを選択して、売り上げの一部を農家のコミュニティーに還元できる。また、購入者は選択したプログラムの現地での進捗(しんちょく)状況や、農家からのメッセージなどが写真付きで届くことで、生産者の生活環境の向上などの変化を知ることができる。
同プラットフォームは、三井物産が出資するアフリカの農業商社ETGと連携して推進。ETGが持つ綿花農家とのネットワークを生かし、農家とオンラインでつながるために必要なデバイスを供給しながら、種子の段階から収穫、加工までの過程を管理する。また、ブロックチェーンを活用して、サプライチェーンの最上流である農家からトレースし、生産される製品の環境課題への影響を可視化できる。
三井物産は「購入者が生産者や生産過程を確認できる従来のトレーサビリティーの枠組みを超えて、生産者とつながる体験を実現する」としている。