経産省、アジアデザイナーに研修予算

2015/10/16 15:21 更新


 経済産業省クリエイティブ産業課は、ファッションデザイン分野でODA(政府開発援助)の技術研修予算を使い、アジアの若手デザイナーを日本に招待するプロジェクトを開始した。

 第1弾の取り組み国はフィリピン。12~18日に開催された「メルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク東京16年春夏」(MBFWT)内で、招待されたデザイナーがショーを行った。今後タイ、インドネシア、ベトナムと取り組む予定。

 技術研修は、日本の優れた技術を海外に広めるとともに、日本国内の経済発展につなげることを狙ったもの。通常は土木や建設業のエンジニアなどの招待に予算が使われている。

 「従来は貿易に直結する分野に焦点を当ててきた。研修卒業生は帰国後に政府要職に就くなど、開発途上国での日本の存在感の向上に貢献している」と古市茂クリエイティブ産業課課長補佐。「デザイン面へも同予算の使途を広げ、アジアにクールジャパンを打ち出すとともに、MBFWTを活性化する」ことを目指す。

 今回招待したのは、「ジョン・エレラ」「ケン・サムディオ」「レナン・パクソン」のデザイナーら4人。10日間の日程で日本の商業施設や素材メーカーなどを回り、日本のファッションビジネスの慣習やショーのやり方などを研修。

 その成果発表という形で、15日にMBFWTで合同ショー「アジアンファッション・ミーツ・トーキョー」を行った。

 同プロジェクトによって、「東京がアジアのファッションハブであり続けるとともに、国際感覚豊かなアジアの若手デザイナーとの交流が、日本の若手にとって刺激になれば」と、MBFWTを主催する日本ファッション・ウィーク推進機構の信田阿芸子国際ディレクターは話す。



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