マイケル・コース 今後2年で100~125店閉鎖

2017/06/13 04:12 更新


公式サイトより

 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】マイケル・コースは今後2年間で100~125店を閉店し、売り上げが最も大きい100店を改装する。9日に行われた投資家向け説明会で発表したもので、ジョン・アイドル会長兼CEO(最高経営責任者)は、「今年度はリセットの年」と語った。

 同社の年商は、12年13億ドル、13年21億8200万ドル、14年33億1100万ドル、15年43億7100万ドル、16年は47億1200万ドルだったが、17年は44億9400万ドルとなる見通し。18年度はさらに下がって売上高は42億5000万ドル、既存店ベースの売り上げは1ケタ台後半の減少を見込み、純利益も減る予定。

 不振の主な要因は、①オンラインリセール(中古品販売)ビジネスの影響②スマートウォッチの影響による時計の売り上げの減少③ハンドバッグ市場が世界的に成熟し、成長が鈍化④ラグジュアリーハンドバッグの競争の激化⑤値下げが多い環境⑥ドル高の影響――としている。

 一方、伸びる要素があるのはメンズスポーツウェア、メンズのレザーグッズ、着用可能なテクノロジーだ。同社は「ファッション性がある着用可能なテクノロジーにおけるリーダー的ブランドになる」とし、グーグルの「アンドロイドウェア」と提携した時計シリーズを今秋以降強化していく。時計やバッグでは、カスタマイゼーションにも力を入れる。

 17年から20年までのカテゴリー別見通しは、ハンドバッグが「横ばいから1ケタ台前半の伸び」を計画しているが、北米は「横ばいからやや減少」、大方の伸びはアジアから得られると見込んでいる。現在、ハンドバッグと革小物の売上高は全体の70%を占めるが、20年度は62%に下がる計画。靴は1ケタ台前半の伸び、時計は1ケタ台前半の減少、アパレルはウィメンズ・メンズそれぞれ1ケタ台前半の伸びを見込む。ウィメンズでは、ドレスに一番可能性があるという。メンズの売り上げは17年度は全体の3%だが、20年度は8%に増えると予想する。

 地域別では、米国は卸売りが16年度の16億2900万ドルから17年度は13億4100万ドルに減り、直営店の売上高は同17億7900万ドルから17億1400万ドルに減少するとみる。

 一方、中国を中心にアジアは堅調に伸びていて、17年度のアジアの店舗数228のうち中国が111。20年にはアジア全体で335店になり、そのうち中国は180店になる計画だ。アジアの売上高は17年は4億900万ドルで、そのうち中国は2億1200万ドル。




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