【パリ=松井孝予通信員】米コスチュームインスティチュートは6日、ニューヨーク・メトロポリタン美術館(MET)で5月4日~9月4日に開催する展覧会「川久保玲/コムデギャルソン/間(はざま)の技」のプレスイベントをパリで開いた。
川久保玲氏も出席し、METキュレターのアンドリュー・ボルトン氏が内容を紹介した。
同美術館が83年に開催したイヴ・サンローラン展以来、2人目の現役デザイナー展。コムデギャルソンの81年のパリデビューから現在までのレディスウェア約150体を展示する。
ボルトン氏は、「ファッションジャーナリストたちは20年前、最も影響力のあるデザイナーとしてイヴ・サンローランの名を挙げたが、今なら誰もが川久保玲と言うだろう」と述べ、「川久保のコンセプト『無』は『間』がなければ成り立たない。
この展覧会では、様々な概念の中の『間』に作られた美を再考する。川久保は以前からクリエイションとビジネスを一つに考えてきたが、彼女の『間』はこの二つの間で最も強く表現されているのではないか」と指摘した。
同展は単なる回顧展の形式から離れ、「ファッション/アンチファッション」「デザイン/ノットデザイン」「モデル/マルチプル」など二元性を持つ八つのテーマから川久保の美学を振り返る。
今回のプレスイベント会場には、展示する作品の中で、97年春夏の「ボディーミーツドレス、ドレスミーツボディー」から17年春夏まで、レッドで統一した5体が披露された。