《めてみみ》問い直す価値

2018/12/21 06:24 更新


 京阪電鉄枚方市駅の中央改札内外が、商業部分を含めて「無印良品」によるデザインに生まれ変わった。駅と商業、改札内外が区別なく、一体的な空間を提供している。全国初の取り組みという。

 改札内のミニスーパー、コンビニ、ベーカリーなどはNBではなく、店名は全て「ひらかた・もより市」。京阪ホールディングス(HD)のグループ会社が運営する、これらの店の制服も統一した。改札外の空間も「もより市広場」とし、グループ各社が年間を通してワークショップや期間限定店を展開する方針だ。

 「このプロジェクトは美装化ではなく、二つのDNAによる次世代の枚方の街づくりを提案していくもの」。加藤好文京阪HD社長は内覧会であいさつした。金井政明良品計画会長は「ファウンドムジ」を事例に、「地域の文化、価値観を再確認した方が良い」と語った。プロジェクトは「えきから始まるまちづくり」の第1弾。駅と街の「つながりの再構築」による〝地域ブランディング〟だ。

 サードプレイスとなるべく、買い物以外の来店価値を強める商業施設。カフェ機能を内包した書店や食物販と、飲食を兼ね備えたフードホールの広がり。既存の業態や施設の価値があちこちで見直され、巨大ターミナル駅以外でも、駅という施設の価値の問い直しが始まった。



この記事に関連する記事