丸井織物はスポーツウェア製造販売のwundou(ウンドウ、東京、土居俊輔社長)の全株式を親会社のアドベンチャー(東京)から8月31日付で取得した。プリントTシャツなどが先行する丸井織物の製品事業で、新たにスポーツウェア分野に進出し、高機能素材の用途拡大などシナジーを追求する。
ウンドウは63年開業のスポーツ店を前身に卸・製造販売を始め、14年に旧社名フロリダウィンドから変更した。現在はアウトドア、フィットネス、チームウェアなど幅広いジャンルのスポーツウェアを展開し、全国のスポーツ用品店、学校向けに販路を持つ。19年8月期の売上高は7億8600万円。
買収額は非公表。土居社長ら現役員は続投し、丸井織物グループから宮本米藏副社長、宮本智之常務、磯岡潔ウィル・テキスタイル社長が新たに取締役に就任した。
丸井織物は16年にオンデマンドプリントTシャツの「Up-T」(アップティー)を立ち上げてBtoC(企業対消費者取引)のEC事業を開始、M&A(企業の合併・買収)も進めてスマートフォンカバー、ネイルなどアイテムの領域を広げている。一方、スポーツウェア関連では、商社向け主力にOEM(相手先ブランドによる生産)を手掛けるウィル・テキスタイルを19年に子会社化し、本業の合繊織物製造とのシナジーを追求している。
今回のウンドウの買収で、オンデマンドサービス事業の強みを生かした事業領域の拡大を図る。特に丸井織物のIoT(モノのインターネット)生産システムを活用することで、スポーツウェア分野で業界最短レベルの納期3日のサービス提供を目指し、オンライン販路開拓によるマルチチャネル化も進める。また、合繊織物を中心に自社の高機能素材を活用したウェア開発など、グループ一貫の相乗効果を狙う。