ルミネ池袋、改装効果で増収ペース 大人女性取り込み

2019/06/04 06:28 更新


 ルミネ池袋は中心顧客対象の20代後半から30代前半の女性客を取り込むための改装と販促の成果で、売り上げを伸ばしている。前期(19年3月期)の全館(地下1階~地上10階)売上高はレストランフロアと今年3月に実施した地下1階レディスファッション・雑貨フロアの大型改装が実り、285億円(前期比2.1%増)で過去最高を更新し、今期も改装効果が継続し、4月は3%増、5月も29日までで2.9%増と順調だ。

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 前期売上高は当初予算を1億円上回った。5階の「プラザ」、7階の「無印良品」やコスメなどの伸びが寄与し、文化用品・雑貨が8.6%増、8階レストランフロアの改装効果で飲食が3.9%増と伸びたほか、衣料品が0.8%増と健闘した。衣料品は地下1階のレディス「イエナ」「ビューティ&ユース・ユナイテッドアローズ」や昨春にメンズ・レディス店からレディス単独店に改装した2階の「ステュディオス」などが好調だった。

 地下1階は昨春に「ディオール」の新業態「ディオール・バックステージ・ストゥーディオ」や「シロ」を入れてコスメを強化するなどした。続いて、今年3月に店舗面積約660平方メートルを改装した。「感度を高め、大人の女性客の需要を拡大する」(植原修一常務池袋店店長)狙いで、ベイクルーズの自社レディスブランドの大型複合業態「アトリエ・スピック&スパン」(約313平方メートル)を同社のイエナの隣接区画に導入、「デミルクス・ビームス」も入れた。引き続き、コスメも拡充し、「コスメキッチン」を移転・拡大したほか、「アディクション」「ダヴィネス」を導入。さらに、これまでフラワー店がなかったため、「青山フラワーマーケット」を入れた。併せて、同階のメインエントランスを大幅に改修、天井を高くし、照度を上げるとともに、動線も見直して「お客が入りやすくした」。これらの成果で、同階売り上げは3月が前年比28%増、4月は20%増と大きく伸び、全館売り上げに寄与した。

 販促効果も大きい。前期はファッションモデルやアーティストとの協業販促を積極的に実施、イベントに合わせて各ショップで限定商品を販売するなどして成果を上げた。今後も「アートとファッションを打ち出すイベントを切れ目なく行い、上質感を出した販促媒体を発行するなどして需要を喚起する」。

 昨春から段階的に実施してきた8~9階レストランフロアの改装が4月25日に完了した。女性客が1人でも利用しやすい店舗やカフェレストランを充実して下層階のファッション・雑貨店との相乗効果を狙い、「成果は上がっている」。秋は生活雑貨中心の7階を改装する予定。業種の幅を広げて、周辺の再開発によって増加が見込まれる新たな来街者の取り込みも狙う。

 ショップスタッフと連携した接客力強化策や自社カード「ルミネカード」会員拡大策にも取り組み、今期も過去最高売上高の更新を目指す。

3月に大型改装した地下1階はベイクルーズの自社ブランド複合業態などを導入し、成果を上げているルミネ池袋


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