ロエベ財団は、革新的な工芸作家をたたえるインターナショナルアワード「ロエベ・クラフト・プライズ2018」の最終選考に残ったファイナリスト30人を発表した。「ロエベ」のクリエイティブディレクターを務めるジョナサン・アンダーソンの発案で16年に始まったプロジェクトで、今回で2回目。今日の文化におけるクラフト(工芸)の重要性を伝え、美的価値のある斬新な才能の発掘と顕彰を目的とする。
今回は英国やスウェーデン、中国、韓国など18カ国から、26~76歳までの幅広い世代の作家が選ばれた。日本人は、稲わらの作品(写真)を作り続けるARKO氏や、ダイナミックな表情の磁器を作る桑田卓郎氏ら最多の4人が選出された。ファイナリストの各作品を集めた特別展は5月4日~6月17日、ロンドンのデザインミュージアムで開催される。特別展のオープニングイベントとして5月3日に、大賞を発表する。
今回はアンダーソンをはじめ、各国の建築家や工業デザイナー、美術館長といった11人の選考委員が2日間にわたる審査を実施。75ヵ国以上の国々から集まった約1900の応募作品からファイナリストを選出した。スペインの大手新聞『エル・パイス』建築・デザイン担当評論家のアナツ・ザバルベアスコア審査委員長は、「今年はどのカテゴリーも応募者のレベルが非常に高く、審査は難しかった。選ばれた作品は伝統技法を習熟した上で見事に現代的な解釈を加えているものばかり」と語った。
