韓国発ベビー用品のDtoC(消費者直販)企業のコニー(イム・イランCEO=最高経営責任者)が、ローカルマーケティングを強化している。昨年10月に日本で現地法人を設立したほか、中華圏、英米圏にもアプローチを強めようと支社を設ける。主力の抱っこひもからベビー服に企画を広げ、24年の売上高は400億ウォン台半ば(50億円弱)を見込む。
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「赤ちゃんを楽に抱っこしてお世話し、スムーズに寝かせたいニーズは国を問わずある」。今月、来日したイムCEOが国内初の新作発表会で強調した。抱っこひもは116カ国・地域で130万個以上を売り、17年の会社設立以来、毎年成長を続ける。23年売上高は310億ウォン(約33億円)だった。
韓国以外での売り上げが60%以上、その約半分が日本だ。日本は抱っこひも単体の売り上げもトップ。イムCEOは「日本の親は赤ちゃんを長時間抱っこする傾向があり、軽くて着脱が簡単な抱っこひもがニーズに合った」と分析する。
全体の売り上げのうち自社ECが70%、オンライン販売は99%に上る。購入者情報や商品レビューを自社で把握し、企画に反映させられる強みがある。これまで口コミで売り上げを伸ばしてきたが、現地のマーケターなどを採用して新規顧客を開拓する。
商品企画の原点は、2児の母であるイムCEOが育児で感じた不便さの解消だ。抱っこひもは安全性はもちろん、親の生活になじむファッション性も重視した。スタイ(よだれかけ)やベビー服の企画も親が気分良く子供に使えるデザインに注力している。
同社は、日本でもシンプルで実用性の高いベビー服の需要があるとみる。日本法人の福原裕一代表は「子供の成長に合わせて温かみのあるメッセージを届け、幅広く商品を知ってもらいたい。少子化が進む日本でも成長の余地がある」と話した。