伊藤忠商事は、香港上場のゴルフ用品メーカー、本間ゴルフ(劉建国CEO)と戦略的業務提携を締結し、株式6.29%を取得する。払い込みは31日を予定している。本間ゴルフは、高品質なゴルフクラブで知られるが、アパレル事業の強化が課題となっていた。伊藤忠はアパレル分野の豊富なノウハウを活用し、「Honma」ブランドの事業拡大を目指す。
株式取得価額は約45億円。伊藤忠と資本業務提携関係にあるタイのCPグループも株式10%を取得する。伊藤忠側の主管はブランドマーケティング第一部門で、役員の派遣は予定していない。
本間ゴルフは、58年に神奈川県で創業。63年からゴルフクラブの製造・販売事業を始め、多くの著名プロゴルファーに支持されてきた。ただ、ゴルフ場への過剰投資などから経営が行き詰まり、05年に民事再生法の適用を申請、06年に再生手続きを終結。10年には上海で家電メーカーを運営する劉CEOの投資会社の傘下に入っていた。
伊藤忠は、数多くのスポーツブランドを抱えるほか、スポーツウェアや雑貨を生産している。また、繊維事業で中国、アジアにおける事業拡大を重点戦略の一つとしており、スポーツ分野でも優良パートナーとの協業を進めている。今回、出資を決めたのは、「中間所得者層の購買力向上を背景に中国、アジアでのゴルフ市場の拡大が見込まれる」ため。特にHonmaブランドのアパレル事業の強化をサポートする。
本間ゴルフによると、「Honmaブランドの売り上げに占めるアパレル、雑貨の比率は約13.4%で、同業他社の平均60%に比べて低い水準」。今後、アパレルを拡大する方針で、ブランディングおよびアパレル関連分野のノウハウが豊富な伊藤忠との提携を決めた。
伊藤忠が企画、生産に関与する商品は、19年春夏向けから。伊藤忠はアパレル強化を通じて「総合ゴルフブランドとしてのHonmaの成長」を後押しする。日本市場から取り組みをスタートさせ、協業エリアを広げる考え。